【基本情報】
磯部 勉(いそべ つとむ、本名 同じ、1950年10月13日 - )は、日本の男性俳優、声優。
アンクルベイビー所属。東京都出身。桐朋学園芸術短期大学卒業。
【来歴・人物】
・短大卒業後、演出家の千田是也に師事し、劇団俳優座で舞台経験を積む。主にシェイクスピア劇で、好評を博す。その後、NHKドラマ『風神の門』では主人公霧隠才蔵の宿敵である獅子王院を演じた。以後、多くの舞台、テレビ、アニメ、映画で時代劇、現代劇問わず活躍。
・1980年代以降は、NHK大河ドラマの常連俳優として数多くの作品に出演。1980年に昭和の犯罪史を騒がせた死刑囚や犯罪者の、服役後の姿を題材とした実録映画『さらば、わか友』に主演。主人公の若き日から晩年までを演じた。仲代達矢、平幹二朗、加藤剛の後を継ぐ俳優座出身スター候補として期待を集めるが、その後は往年の戸浦六宏を彷彿させるような知的な悪役やバイプレイヤーなど、性格俳優としての側面を強めていく。
・また、声優としては『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』の主人公、ホークをはじめ、本数の多いハリソン・フォード、メル・ギブソン(共に十数本の映画の吹替版で担当)、ロバート・デ・ニーロ、リチャード・ギア、ケヴィン・コスナー、ユル・ブリンナーなど数々の二枚目俳優の吹き替えを担当している。多くのパニック、アクション映画の主人公を吹き替えており、正義のヒーローから凶悪な犯罪者まで幅広く担当。なかでも『ポセイドン・アドベンチャー』でのジーン・ハックマン扮したスコット牧師役の声、『ゲッタウェイ』でのスティーブ・マックイーンの声は代表的な作品に挙げられる。ロバート・デ・ニーロの代表作とされるサイコサスペンス『ケープ・フィアー』や『ザ・ファン』でも知られる。
・これまで上記のようなシリアスな役を数多く演じてきたが、メル・ギブソン主演の『リーサル・ウェポン』シリーズでの池田勝(ダニー・グローヴァーの吹き替えを担当)とのマシンガントークや『ハート・オブ・ウーマン』ではコミカルな役を演じた。『リーサル・ウェポン2』で初めて吹き替えを担当して以来、専門声優となり、シリーズ全作を担当した声優である。
・謙虚で誠実な人柄でも知られ、『十戒』でチャールトン・ヘストンを担当するに当たり、ヘストンの吹き替えを長年担当した納谷悟朗に、直接許しを請う電話を入れたほどである(納谷はこの姿勢にいたく感心し、励ましの言葉を送ったという)。これ以外にも、ヘストンの吹き替えを2本担当し、納谷を除けば一番多く担当している。
・2005年の『魔法戦隊マジレンジャー』では敵幹部のウルザードの声だけでなく、ウルザードの正体であるマジレンジャーの父親・小津勇役に起用される。本人は、特撮でのレギュラーは初めてであったこともあり、素面で小津勇を演じて欲しいとのオファーを受けた際には(時代劇で悪役が多かったからか)「自分でよいのか?」と最初は戸惑ったという。最終回では他のキャストと同様に自身の役の変身した姿のウルザード・ファイヤーのスーツに入っている。2011年公開の『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』では5年ぶりにウルザードファイヤーの声を担当する。