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声優

神谷明(かみやあきら)

概要

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経歴

【役者になるまでの経緯】
母と弟一人の家庭に育つが、高校時代に友人に誘われる形で、演劇部に入部。その時に「神谷って良い声してるよな」と言われたことがきっかけで俳優を目指す。当時は今以上に役者になることが困難だった時代であり、本来なら冒険できない立場だったが、母に「役者になりたい」と言ったところ、「自分で選んだ道だから頑張んなさい」と言われた。後にこのことを、「自分が母の立場だったら、泣いて止めたかもしれない」と述懐している。

【声優としての活動】
・1970年、テアトル・エコー研究生時代にテレビアニメ『魔法のマコちゃん』の千吉役でアニメ声優デビュー。初レギュラーは『赤き血のイレブン』のヤシマサスケ役。初主演は『バビル2世』のバビル2世役で、彼のトレードマークの「叫び」もこの作品で体得した。以後、『ゲッターロボ』の流竜馬など、主にロボットアニメ作品で主役を多く担当。必殺技を叫び続けたことから、一部では「叫びの神谷」と呼ばれた。ゲーム「スーパーロボット大戦シリーズ」になくてはならない声優の1人であり、「スーパーロボット大戦F」発売時には神谷自身が顔出しでTVCMに出演したこともある。
・1980年代には、『週刊少年ジャンプ』連載漫画のアニメ化作品に多数出演。『キン肉マン』、『世紀末救世主伝説 北斗の拳』、『シティーハンター』などでは主演し、ジャンプアニメでお馴染みの声優の1人としても知られた。これらの「少年ジャンプ」系アニメの多くが長期シリーズになったこともあって、この時期に出演した作品が神谷明の代表作として紹介されることも多い。
・アニメ以外の声の仕事ではアメリカ産テレビドラマ『探偵レミントン・スティール』(1982 - 87 / 全5シーズン92回)で主役ピアース・ブロスナンの吹替を担当(第2シーズン終了まで=全42回)し、またブロスナンが映画『007』シリーズで5代目ジェームズ・ボンドをつとめた『007:ゴールデンアイ』、『007:トゥモロー・ネバー・ダイ』でも担当した(各ビデオ版)。
・CMやバラエティ番組などでナレーションを手がけることも多い。代表的なものは現在、『スーパー戦隊シリーズ』枠を中心に放送されている東京ドームシティアトラクションズ(旧後楽園ゆうえんち)のヒーローショーのCMであり、1986年より20年以上にわたってナレーションを担当。ちなみに、神谷の(現時点における)戦隊出演作は『超力戦隊オーレンジャー』レギュラーキャラクターのガンマジンと、劇場用作品『ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』の黒十字王である。
・『名探偵コナン』を降板して以降、声優としての活動はナレーションが中心となっていたが、前述の『スーパー戦隊199ヒーロー大決戦』で久々にキャラクターを演じた。

【その他の活動】
・1970 - 80年代に活動した人気声優バンド・スラップスティックに結成当初ベーシストとして在籍していた。だが自身のスケジュールが多忙であったこと、本来アマチュアバンドとして皆で和気藹藹と楽しんでいた演奏活動がプロとしての歌手活動としてプロデュースされることに懸念を示し、脱退を申し出たという。
・『オールナイトニッポン』のパーソナリティーを務めた経験があり、声優としてのレギュラーパーソナリティは神谷明が第1号である。同番組では「ギネスに挑戦!」というコーナーをやっていたが、コミックシンガーソングライターとして知られる嘉門達夫(当時は笑福亭鶴光の弟子だったため「笑福亭笑光」という名前だった)が類似コーナーを『MBSヤングタウン』でやっていたことで知り合いになり、そのまま親交を持っている。
・1979年には『ミッチと明の底抜け日曜拳銃』という日曜昼間のラジオ番組で堀江美都子とともにパーソナリティーを務め、「Oh! Sunday 青春は日曜日」というデュエット・シングルも出した。
・やはり1979年の5月にはかつての日本劇場(現・有楽町マリオン)で、声優としてただ一人ワンマンショーを開いた事がある。その年の春休みに日本劇場と青二プロダクション主催で声優だけのイベント「Voice.Voice.Voice」が開催され人気を博し、日劇での前売り券発売日には明本人の来場もあって数寄屋橋交差点までの長蛇の列ができた。
・『プリンプリン物語』、『北斗の拳』など多数の作品で挿入歌などを歌ったほか、1980年代初頭には曽我部和恭、中尾隆聖、内田直哉らと演劇活動をしていたこともある。
・1995年の阪神・淡路大震災の際にはチャリティとしてユニット「WITH YOU」を結成。そのリーダーを務め、「ふれ愛コンサート」でも活動。声優など多数の参加を得る。
・近年では日本工学院専門学校(蒲田校・八王子校)で講師を務めており、教え子には新谷良子、清水愛などがいる。2006年度には持ち役であるケンシロウ(『北斗の拳』)や冴羽?(『シティーハンター』)の「生声」を新入生の前で披露したり、2007年度と2008年度には入学式で新入生に発声練習を施した。また、「冴羽商事」という事務所を立ち上げてナレーションや司会、ラジオCM製作、ゲーム音声製作、コンサート・イベント運営、講演会など幅広い活動をしている。

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エピソード

【ロボットアニメ】
・『勇者ライディーン』、『闘将ダイモス』では声を潰した経験をもつ。どちらも長浜忠夫監督作品であり、「全力で芝居したのだと思うし、思い入れが深い」と神谷は語る。「アニメディア」の連載に来た質問では、「今でも『ライディーン』のひびき洸の声を出せますか?」という質問に「出来るが、いい後進がいれば任せたい」との意見を示した。特に『ライディーン』後半の戦闘シーンでは、叫びっぱなしだったため、最後の「ゴッドバード!チェンジ」の台詞のみは、やむなく本人の声を録音したものを毎回用いるようにしていた。
・スーパーロボット大戦シリーズでは多くの作品で神谷の演じたキャラクターが登場しており、音声付の作品ではほぼ毎回新録を行っている。『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』では流竜馬、竜崎一矢、ツワブキ・サンシロー、ひびき洸、ロイ・フォッカーの1人5役を演じた。
・1998年に発表されたOVA作品『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』はリメイク作として主要キャラクターのキャスト全てが総入れ替えとなったが、ナレーションという形で神谷が参加。神谷自身、かつての流竜馬役とは異なるが思い入れの深い作品に参加出来た事は非常に感慨深いと述懐している。


【週刊少年ジャンプ作品】
■北斗の拳
・『北斗の拳』でケンシロウを演じていた時、「終わった」というアドリブを叫んでいた。このことは2004年放送の『トリビアの泉』で、アニメでケンシロウが「あたたたた……」の後に「終わった~(ほわたぁ~と聞こえる)」と言っているというトリビアとして紹介された。明によれば、当番組では非常に喉に過酷で甲高い声を出すのが大変だったので「あー、今日も本当に疲れたな。これで(仕事が)終わったな」という意味を込めたアドリブで当時は仕事が忙しくそうした遊びを入れないとやってられないほどだったという。事実、神谷は『北斗の拳』以外の『ジャンプ』作品だけでも『キン肉マン』、『シティーハンター』と主役を張るほどの売れっ子で休む暇も無かった。
・また、ラジオ関西の番組『ピクチャーランドCLUB』にゲスト出演した際の「北斗百裂拳の声をどのようにして出しているのか」というリスナーからの質問に対し、神谷は「自分の大切なものが無くなって見つからず、ずーっと探していたが見つからず、それがある時机の裏から見つかった時に『あったぁ!』という声を何度も繰り返している」と答えている。

■キン肉マン騒動
・独立騒動後に集英社側の制作したテレビアニメ『キン肉マンII世』で登場したキン肉スグルは、明ではなく古川登志夫が演じていた。これには騒動が尾を引いたのではという説の他、『笑っていいとも!』のコーナーにて「役をやってて死にそうだった」などと告白していることから自身の健康面のことを考えてオファーを断ったのではないかという説、さらにはこれに関連した神谷の健康不安説まで様々な憶測が飛び交うことになった。
・2007年2月3日の『青春ラジメニア』にゲスト出演した際、本人がこの件に触れており「製作側の予算の都合。好きなキャラなので、やりたくないわけでは決してない」と説明しこれら憶測を否定している。これは声優のアニメ出演ではギャラの額の決定に際して「ランク制」が適用される事から、上位ランクでギャラ単価の高い明が「自分が出演したいから」という理由でギャラを制作側の予算に合わせる形で規定の額から勝手に下げるとランク制の関係で自動的に他の全出演者のギャラ単価にも軒並み大きな悪影響を及ぼしてしまうため、その様な無理な出演はできないという意味であり、すなわちアニメ制作者側の予算と声優業界のシステム面に起因する事情が声優交代の理由であったということを示している。映画版では予算が十分に確保されており、出演を果たしている。
・近年は『キン肉マン』関連のゲームには出演している。ただし、ゲームソフト『キン肉マン ジェネレーションズ』では古川がスグル役を演じている。ゲームソフトもアニメ同様にランク制の適用対象である事から現状では制作者側の予算やターゲットとする購入者層に応じて、神谷と古川のいずれかが選択されている状況が窺われる。とはいえ古川の実績や声優としての人気実力も高く評価されるものであり、彼が低く評価されているわけでは決してない。

■シティーハンター
・明は『シティーハンター』の冴羽が、自分が今まで演じた中で一番好きなキャラクターだと公言している。理由はTOKYO FMの番組『やまだひさしのラジアンリミテッドDX』にゲスト出演した際「ケンシロウのような二枚目の演技も、キン肉スグルのような三枚目の演技も冴羽は全て受け入れてくれるから」と語っている。
・明の事務所「冴羽商事」の由来も冴羽を演じたことから来ている。事務所の設立に当たっては作者の北条司に名前の使用許可を得ているが北条は本気だと思っていなかったらしく、設立の報告に行ったところ「本当に作ったの!?」と驚かれたという。


【高橋留美子作品】
・明は高橋留美子にその声を気に入られており、『うる星やつら』の面堂終太郎や『めぞん一刻』の三鷹瞬の声を演じている。また、ギャグ系キャラクターへの転機となったのは『うる星やつら』の面堂と神谷は述懐している。
・『うる星やつら』『めぞん一刻』終了後には、面堂や三鷹のキャラクターの流れを汲む『らんま1/2』のライバルキャラクター・九能帯刀のキャスティングにも推薦されたが『らんま1/2』の監督・芝山努は「新人など、今までの高橋留美子作品に無いものを」と考え却下した(アニメ版の九能は鈴置洋孝が演じた)。高橋の強い推薦により、その九能帯刀に仕える猿隠佐助という新たなアニメオリジナルキャラクター(デザインは高橋が担当)が登場しているが、それも監督には認められず千葉繁が演じている。『らんま1/2』後期には、いくつか神谷のために用意されたキャラクターが登場した。


【名探偵コナン】
・2009年9月18日、自身のブログにおいて「9月17日をもって『名探偵コナン』の毛利小五郎役を解任させられた」事を明かしている。詳細については触れず「契約上の問題と信・義・仁の問題」であるとし、原作者の青山剛昌・共演者・APUスタジオ・読売テレビ・小学館に対しお詫びと長年の愛顧についての感謝の言葉を述べている。この際には具体的な理由が明かされなかったため、ファンの間では様々な噂や憶測が飛び交った。神谷自身は19日、自身のブログで降板の理由について「制作会社の方」との「信頼関係を失わせる」出来事があったことを仄めかすものの、翌日にその内容を削除している。
・2009年10月28日発売の週刊少年サンデーにおいて、神谷の後任として小山力也が小五郎役を受け継ぐ事が発表され、10月31日放送話から担当している。神谷自身も小山にエールを送り、翌年4月に改めて会食して正式にバトンタッチとアドバイスが完了したと、ブログでも述べている。


【その他】
・売れっ子の神谷は歯を治療した直後の当日に仕事をしなければならなかったこともあった。しかもスタジオ入りの途端麻酔が再び効いてしまい、『プリンプリン物語』のタイトルを「フリンフリン物語」としか言えず、大ピンチに陥った経験がある。
・かつては稀代の雨男として名を馳せた。イベントにおいてはそれまで快晴だった空が神谷が登場するや否や雲が差し掛かり、そのまま雨が降ってきたという事態も一度や二度ではなかった。
・立ち食いそばが大好物でとてもうるさく、JR山手線全駅の立ち食いそばを制覇している。
・"声の仕事は、俳優の仕事がないときの副業、アルバイトにすぎない"という認識を持つベテランが多い中で、神谷は声優をプロと考えている数少ない人物である。かつては声優と呼ばれることに抵抗があったが、声の仕事を経験するうちにその仕事にプライドを持つようになったと語る。また、声優呼ばわりを嫌悪するベテランに対して「"声優ではなく俳優"と言ったところで、実際に自らの生計を立てたのは声の仕事ではないか」という批判的な発言をしている。

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