【基本情報】
清川 元夢(きよかわ もとむ、1935年4月9日 - )は、日本の男性俳優、声優。
東京俳優生活協同組合所属。神奈川県出身。
愛称は「キヨムー」(命名したのは平野耕太)。身長182cm、体重60kg。血液型はAB型。
【特色】
・声域はバリトン。声優としては主に中高年、痩身のキャラクターを演じており、温厚な役から悪役までこなす。特撮作品では怪人役の声を多く担当しており、上述の庵野が清川に出演を依頼するようになったきっかけは『秘密戦隊ゴレンジャー』で清川が声を当てた青すじ仮面役を気に入ったことである。
・悪役を多く演じているが、清川は自身の声について「音として柔らかい」と分析しており、「どうしてもほんとのワルになりきれない」と述べている。それゆえに『ふしぎの海のナディア』で敵役のガーゴイルを演じることになった際、ガーゴイルの生い立ちについて述べた上で「だったら、どちらがワルかはっきりしない、そういうのでやらない?」と監督の庵野に提案し、庵野は最初からそうしようと思っていたとしてこの提案を取り入れた。また『機動武闘伝Gガンダム』においてミカムラ博士を演じた際、清川の声を聞いた監督の今川泰宏は「どうしても、悪人に出来ない」として、本来は悪人として設定されていたミカムラ博士を最終的には善人に変更したという。
【人物像】
・上述のように本人はあくまで舞台志向であり、「僕マンガ大嫌いなんですよね(笑)。仕事場から逃げ出したいくらいなんです」、「『マンガは嫌い』だとか、仕事をホサれるようなことばっかり言ってるんですよ」と自身がアニメの声優をやることに対して抵抗感がある旨の発言をしている(清川はマンガ=アニメと捉えていることが文脈上明らかである)。その一方で、収録スタジオではアフレコ前に漫画を読んでいた若手声優を叱ったり、体調管理についても苦言を呈するなど、若手に注意を促している。作品の制作スタッフに対しては敬意を払う一方で、声優については、役者を育てる機関が日本になくスタッフの求めるだけの演技ができないことや、プロ意識の欠けた者が多くなっていることを憂う発言をしている。
・歌を歌うことについても、自分の柄ではないと否定的である。『ふしぎの海のナディア』のCDアルバム『Bye Bye Blue Water』で歌う企画の打診に対して(歌いたくなかったため)「演歌ならいいですよ」と答えたところ演歌調の歌である「本命盤 恨み舟」が作られ、清川が歌った数少ない歌となっている。清川のこの歌に対して、共演していた日高のり子は、「『ナディア』って始まった頃から結構歌とかの仕事も多くて、キャラクターとして歌うことも多かったんですけど、清川さんの『恨み舟』を聞いた時は「やっぱり違うなあ」って思いました。間のセリフとかもテレビと同じく淡々と喋っているのに、聞いているこっちはたまらなくおかしかったです。で、やっぱりガーゴイルなんですよねえ。私がジャンで歌っても、やっぱり日高が見え隠れするところってあるじゃないですか。でもこの歌の中にいるのは清川さんじゃなくてガーゴイルなんですよ。それがやっぱりすごいと思いました。」と清川の徹底した職人気質を讃えている。