【基本情報】
山寺 宏一(やまでら こういち、1961年6月17日 - )は、日本の声優、俳優、タレント、ナレーター、司会者。
宮城県塩竈市出身。アクロス エンタテインメント所属。
東北学院大学経済学部商学科卒業。
身長176cm、体重67kg。妻は声優の田中理恵であり、元妻も声優のかないみかである。
愛称は「山ちゃん」。ラジオパーソナリティーとしては「バズーカ山寺」と名乗ることが多い。
【特色や評価】
・「七色の声を持つ男」と呼ばれるほど、広域の声質が特徴である。さらに演技力、そして司会業で見せる巧みな話術も相まり、渋い青年から初老、ヒーローから悪役のボス、シリアスな役からコミカルな役、二枚目から三枚目まで多数の役柄の声を演じこなす。業界内では「(配役に)困った時の山寺宏一」と言われることもあり、声優界の大御所・羽佐間道夫は「俺の二代目」と称している。
・新人時代の山寺の演技を見た野沢雅子は「この子は絶対伸びる」と確信したという。大塚明夫は自身のラジオで「山寺は本当に細かい気配りができる良い奴だよ」と評している。
・2007年に放送されたフジテレビ『プロキング』で声優121人が選ぶNo.1声優第1位に選ばれた。また、2011年に放送されたテレビ朝日『お願い!ランキングGOLD』での「人気声優100人が本気で選んだ!本当にスゴイ声優ランキング」でも第1位に選ばれた。自身は尊敬する声優として羽佐間道夫や神谷明をあげている。その羽佐間もTBSラジオの『コサキンDEワァオ』にゲスト出演した際に山寺を絶賛していた。後に、同番組に山寺がゲスト出演した際に、コサキンの二人からその話を聞かされた山寺は非常に恐縮していた。また、羽佐間は『俺がハマーだ!』のDVDコメンタリーで「自分が死んだら代役は山寺にやらせる」とも言っていた。
・野沢那智によれば「俺もギャラを片っ端から飲んでなければ山寺くらいの家が持てた」とのこと。後にかないみかとの離婚報道にて、この自宅が地上3階・地下1階であることが明らかとなった。なおこの自宅は先述の通り、離婚の際にかないに譲っている。
・アニメ監督の押井守は、「彼の最大の不幸は、誰も彼の本当の声を知らないことである」と評している。
【活動内容】
■声優として
・吹き替え作品に多く出演しており、主な担当俳優にエディ・マーフィ、チャウ・シンチー、ジム・キャリー、ブラッド・ピットなどがある。以前はジャン=クロード・ヴァンダム、チャーリー・シーン、トム・ハンクス、マイケル・J・フォックスなどの吹き替えも多く担当していた。映画『チャーリー』のロバート・ダウニー・Jrの吹き替えは、原語版よりも日本語吹き替え版の方が素晴らしいとVTRの発売時の批評からも絶賛された。江原正士や堀内賢雄とは、同一作品の別音源で同じ俳優を担当している事が多い。
・子供向けのアニメでもその多彩な声から一人何役もこなしていることが多く、『それいけ!アンパンマン』ではチーズ・カバお・かまめしどんの他、多くのゲストキャラクターを演じており、多いときには1話で4つの役をこなす。また、その『アンパンマン』では、当初ばいきんまんの声でオーディションを受けたが落ちたというエピソードがある。その後映画『ばいきんまんと3ばいパンチ』でばいきんまんに瓜二つのアカキンマンを演じ、「ばいきんまんvsバイキンマン!?」では偽者のばいきんまんを演じている。
■富山敬からの引き継ぎ
・1995年に死去した富山敬の役を多く引き継いでいる。富山と一緒に声優の仕事をした人でさえ区別がつきにくかったというエピソードに象徴されるほど持ち役を自分のものにしている。『宇宙戦艦ヤマト』のゲームでは映像作品で富山が生前に声を演じたライブラリー音声に山寺の新録を繋ぎ合わせて作られた作品も存在する。特に2007年に発売されたパチンコ機「CR宇宙戦艦ヤマト」(藤商事)では、古代進役で波動砲発射シーンなどで重要な声をあてられており、大当たり画面中の10ラウンド以降で通常当たりの際に古代進役の声優として山寺の名前がクレジットされている。2009年12月に公開された『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』ではアニメ作品で初めて古代進の声を担当した。新作『宇宙戦艦ヤマト2199』では、仇敵そして後に古代進の盟友となる、もう一人の主役、デスラー(本作ではアベルト・デスラー)役に抜擢。本人も「宇宙戦艦ヤマト2199でお話をいただいた時も、古代の役なのかなと思ったのですが、まさかの「デスラー」でした」と驚きのコメントを出している。
・また、リメイク版『ヤッターマン』においては富山の持ち役であったナレーション、おだてブタの2役に加え、ヤッターワンをはじめとする全てのヤッターメカ(池田勝の後任)やゲストキャラクターの声を演じている。ドロンボー一味からも劇中で「山ちゃん」と呼ばれており、時折「山ちゃん本人」が劇中に2頭身のキャラクター(ゼンダマンの「トミー・ヤマケ」の流れ)として登場することもある。タイムボカンシリーズ全体としては前述の富山敬、鈴置洋孝(『逆転イッパツマン』)、堀内賢雄(CDドラマ版)、滝口順平(『怪盗きらめきマン』)に次ぐ5代目のナレーションとなる。実写映画版でもナレーター・ヤッターワン・ヤッターキングの声を演じるほか、顔出しで出演もしている。アニメ劇場版においては、ナレーション・ヤッターキングなど、しめて16の役の声を演じている。
■ディズニー関連
・ディズニー作品において、ドナルドダックを始め『美女と野獣』『アラジン』『ムーラン』『リロ・アンド・スティッチ』『リトル・マーメイドII Return to The Sea』などで、10役以上を担当。日本声優の中では一番ディズニーキャラクターの声を当てている。そのため、スクウェア・エニックスのゲームソフト『キングダム ハーツ』シリーズでは、プレイの合間に流れるムービーに出てくるキャラクターの会話を1人で演じている場面もしばしばみられる。中でもドナルドダックの演技は、ディズニー側にすばらしいと認められ、青一色のK・YAMADERAの文字とドナルドの顔イラストを文字盤に入れた腕時計とその原画を贈られている。ドナルドダックの演技を山寺に教えたのは松本梨香である。また、近年発表されているディズニー映画(特に子供向けアニメ映画)のDVDのCMナレーションの多くを山寺が担当している。
・本人がDJを務めるラジオ番組で、リスナーからディズニーのキャラクターの声を頼まれることが多々あるが常に断っている。しかし『笑っていいとも』に出演した際には、ドナルドの泣き声だけを一節だけ演じた。その代わりディズニー作品以外のキャラクターを演じるが、ディズニー作品におけるキャラクターでの声を期待するリスナーの反応はいまひとつな場合が多い。
■ゲスト出演
・毎年の『劇場版ポケットモンスター』でゲスト声優として登場するのが恒例になっている。ただし、テレビアニメ本編ではカモネギ役で1度だけで、『ポケモン不思議のダンジョン 空の探検隊 時と闇をめぐる最後の冒険』にてナレーションを担当したことを除けば、『ポケットモンスター』のアニメとの関わりがない。あくまで声優としてではなく、タレント及び「おはスタ」司会者の山寺宏一としてのゲスト出演であるためである。
・『名探偵コナン』には劇場版も含めると3回出演しており、いずれも連続殺人犯の役を演じている。
・『ルパン三世』のTVスペシャルにも出演しているが二作品とも悪役である(『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』のマイケル・スズキ(ゴンドウ)と『ルパン三世 お宝返却大作戦!!』のラッツ)。なお、2011年12月の『ルパン三世 血の刻印 ~永遠のMermaid~』 で納谷悟郎から銭形警部役を引き継ぐことになり、レギュラー出演者となる。
■共演
・テレビアニメでは林原めぐみとの共演が多い。主な共演作品は『新世紀エヴァンゲリオン』『魔神英雄伝ワタル』や『らんま1/2』『ドンキーコング (アニメ)』『カウボーイビバップ』『天空戦記シュラト』。また堀内賢雄とも多くの作品で共演しており、関わりが深い。戸田恵子とはアニメや人形劇のほか、テレビドラマ等を通じても共演が多い。
■ラジオパーソナリティとして
・ラジオパーソナリティーとしては「バズーカ山寺」と名乗ることが多く、この時は一気に畳み掛けるような大きく弾けたしゃべりを披露する。なお、『フィフス・エレメント』のDVD版では、バズーカ山寺名義でクリス・タッカーの、山寺宏一名義でゲイリー・オールドマンの吹き替えを行っている。深夜生番組『はいぱぁナイト』月曜(二代目、KBS京都)では本名名義でパーソナリティーを務めた。
■タレントとして
・『ものまねバトル』には、最初は当時常連だった冨永みーなとのデュエットの相手役として出演。後に山寺1人での出場が多くなり、末期では常連出場者と番組でのナビゲーター役を兼任していた。さらに、番組内で3度MVPを受賞した経歴も持つ。MVPを獲得した時の芸は、1度目は尾崎豊で、2度目はルイ・アームストロング(途中で口でトランペットの声帯模写を披露)、3回目はスティーヴィー・ワンダー+ドラムやベース、ギターなど7種類の楽器の声帯模写。他にはTHE BLUE HEARTS(甲本ヒロト本人に認められている)、ケツメイシ(3人のボーカルを一人で全部こなした)、スキャットマン・ジョン(中尾彬がカラオケで歌うというコンセプトで)、THE BOOMなど。もともとは、声優ではなくものまねタレントになりたかったという。後番組の『ものまねグランプリ』においても、個人では久保田利伸のものまねでMVP獲得、荒牧陽子とのコラボレーションで「We Are The World」の男性ミュージシャン全員を演じMVP獲得、計2回獲得している。ものまねレパートリーには尾崎豊、木山裕策、つんく、ケツメイシ(全員の声真似が出来る。)、久保田利伸、甲本ヒロト、スキャットマン・ジョン(中尾彬)、ルイ・アームストロング、中村雅俊、福山雅治、藤巻亮太(レミオロメン)、平泉成、大橋卓弥(スキマスイッチ)、湘南乃風、ささきいさお、子門真人、藤森慎吾(オリエンタルラジオ)、みのもんた/ 声帯模写:トランペット、ドラム、ベース、ギター、携帯電話などがある。
・『シャル・ウィ・ダンス?~オールスター社交ダンス選手権~』の第2シーズンにて優勝した。また視聴者の反応も「すばらしい」「また違う一面を見ることができた」などと好評だった。
・宮城県が提唱するみやぎ夢大使の1人である。また、東北出身の著名人を集めた東北楽天ゴールデンイーグルスの「ファンクラブ名誉創立会員(会員No.8)」の中に名前を連ねている。また、宮城球場(クリネックススタジアム宮城)で試合が行われる場合はテレビ中継にもゲストとして出演することがある。